No.128 (インド・東南アジア・西アジアの民族運動)  : 

イランとトルコそれぞれの革命の成功と挫折とは?」

イランではロシア第一革命と日露戦争の影響で,イラン立憲革命が起きて国会・
憲法が約束されたが,英・露の干渉とシャーの弾圧によって失敗した。また,ト
ルコでは1908年に青年トルコ革命が起こり,ミドハト憲法が復活したが,民族問
題などから反動化し,うまくいかなかった。この二つの革命には,日露戦争にお
ける日本の勝利が影響している。


<評価の観点>
関心・意欲・態度:

日本以外のアジア諸国で,20世紀初めにイランでは憲法が生まれ,トルコではミ
ドハト憲法が復活したが,最終的には両者ともに失敗に終わったことに,大きな
関心を持って学習に臨んでいる。


思考・判断:

一種の征服王朝であるトルコ系カージャール朝ではナショナリズムが育ちにくい
ため,国王がイギリスやロシアと結んで立憲革命を挫折させたことについて,対
照的な日本の事例と比べながら考察している。

資料活用の技能・表現:
青年トルコ革命の様子を写した写真資料を見て,青年トルコの人々が掲げた垂れ
幕に「コンスティテューション(憲法)」の文字が踊っていることを発見してい
る。

知識・理解:
イラン立憲革命は国会と憲法をシャーに約束させたが,イギリスとロシアの干渉
によって失敗し,青年トルコ革命はミドハト憲法を復活させたが,彼らの内閣が
自ら反動化して憲法が無力化したことついて,基本的な知識を身につけている。